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治療

治療目標 1)
「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、アトピー性皮膚炎治療の最終目標を以下のように示しています。

  • 症状がないか、あっても軽い状態になること
  • 日常生活に困らないこと
  • 薬物療法をあまり必要としない状態になること
  • 上記3つの状態を維持すること

※もし上記の状態にならなくても、症状が軽く、日常生活に支障を来すような急な変化が起こらないよう状態を維持すること


治療法
アトピー性皮膚炎の治療法で有名なのはステロイド外用薬を塗ることですが、その他にも治療法はあります。また、新しい治療薬も数多く登場しています。


悪化因子を見つけ、スキンケアを行う 1,2)
まず忘れてはいけないのが、どのようなときに症状が悪化するのかを知っておくことです。悪化因子がわかれば、生活の中で悪化因子を避けることができ、皮膚を良い状態に保つことができます。
また、保湿剤を何度も、きちんと塗ることがとても大切です。乾燥しがちな肌にうるおいを与え、アトピー性皮膚炎の原因物質が中に入らないように守ります。治療中はもちろん、治療して良くなった皮膚を維持するときも保湿剤を使います。


薬物療法
【外用剤】1,3)

ステロイド外用薬は今でもアトピー性皮膚炎の基本となる薬で、アトピー性皮膚炎の原因となる免疫を抑え、炎症を改善します。効果の強さでランク付けされています。医師や医療関係者の説明を聞き、必要かつ十分な量を塗りましょう。
また、ステロイドとは別の免疫抑制メカニズムをもった塗り薬があります。医師と相談しながら適切に使っていくことで、症状の改善が見込めます。

【内服剤】1-3)
抗ヒスタミン薬は、アトピー性皮膚炎の強いかゆみを抑えるために用いられます。他にも、免疫を抑える薬や漢方薬を服用することがあります。

【注射剤(生物学的製剤)】1-3)
免疫に作用する物質を抑制して、アトピー性皮膚炎を改善します。


その他の治療
【光線療法】1-3)

免疫を抑える作用を期待して使われます。
アトピー性皮膚炎は、適切な治療により、長期にわたり良い状態を保つことができる可能性があります4)。


【参考文献】
1) 日本皮膚科学会ほか:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018 日皮会誌 2018, 128(12), 2431-2502
2) 西岡清監修, 片山一朗編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ アトピー性皮膚炎 改訂版, 2010, pp.40-43, 78-81, 医薬ジャーナル社, 大阪
3) 浦部晶夫ほか編:今日の治療薬 2021年版, pp.1090-1091, 南江堂, 東京
4) 日本皮膚科学会ほか:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018 日皮会誌 2018, 128(12), 2431-2502

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