レオ ファーマ ADHAND試験における第32週時点での良好なトップライン結果を発表
当プレスリリースについて
本資料は、レオ ファーマA/Sが2025年11月17日(デンマーク、バレラップ発)に発表した英語によるプレスリリースの参考資料として用意された日本語訳です。資料の内容および解釈については英語版が優先されます。英語版は www.leo-pharma.com をご覧ください。
英文タイトル:LEO Pharma Announces Positive Topline 32-Week Key Results in ADHAND Trial
- ADHAND試験では、負担が大きくアンメットニーズの高い集団である中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹2を有する成人患者さんを対象に、トラロキヌマブの有効性と安全性を評価しました1。
- 第16週時点で、トラロキヌマブではプラセボと比較して、皮膚病変の消失又はほぼ消失、かゆみ、疼痛など、主要評価項目とすべての重要な副次評価項目で統計学的に有意な改善が示されました3。
- ADHAND試験の第32週時点の結果は、第16週時点で認められた良好な結果から続いて得られました。
メディカルダーマトロジーのグローバルリーダーであるレオ ファーマA/Sは、ADHAND第3b相試験の第32週時点での解析において得られた良好なトップライン結果を発表しました。同治験は、全身療法の候補となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹を有する成人患者さんを対象とし、トラロキヌマブの治療効果を評価する試験です。
ADHAND試験は、全身療法の候補となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹を有する患者さんを対象に、単剤療法として隔週でトラロキヌマブ300 mgを投与した場合の有効性と安全性をプラセボとの比較により検討するアダプティブデザインを用いた第3b相介入プラセボ対照試験です1。最初の16週の二重盲検投与期間後、すべての患者さんが非盲検下で16週にわたり隔週でトラロキヌマブ300 mgの投与を受けました。
試験では第16週時点で主要評価項目とすべての重要な副次評価項目が達成され、第32週時点でも、疾患の程度及び重症度、かゆみ、疼痛、睡眠、及び健康関連の生活の質に関する有効性や、トラロキヌマブの継続投与の安全性及び忍容性などすべての評価項目が達成されました。
「これらの第32週時点での主な結果は、良好であり、中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹に苦しむ患者さんに新たな希望をもたらすものです」と、レオ ファーマCEOであるのクリストフ・ブルドンは述べています。「これらの結果は、第16週時点の良好なデータを基盤としたものであり、トラロキヌマブがこの消耗性疾患に苦しむ患者さんにどのように役立つかという点での私たちの確信を再確認するものです。手の症状は、患者さんにとって、身体的な痛みや機能の制限があるだけでなく、精神的な負担になることがあります。このような目に見える、負担の大きい領域で良好な成果がみられたことで、この困難な疾患を抱えて暮らす人々のために私たちが達成できることについて、より明るい見通しが示されました。」
第32週時点での解析の詳しい結果は、後日、研究発表や出版を目的に提出予定です。
ISAD2025で発表された第16週時点の良好なデータ
ADHAND試験の第16週時点で、トラロキヌマブではプラセボと比較して、皮膚病変の消失又はほぼ消失、かゆみ、疼痛など、主要評価項目とすべての重要な副次評価項目で統計学的に有意な改善が示されました3。
「手は治療が難しい領域であり、アトピー性皮膚炎による手湿疹は多くの場合、患者さんにとって大きな負担となります。生殖器や頭頸部も負担の大きい領域ですが、手はとりわけ外的誘因の影響を受けやすいために対処が特に困難になる場合があります」と語るのは、レオ ファーマのグローバル・メディカル・アフェアーズ担当で、オーストラリアのメルボルンで開催された2025年国際アトピー性皮膚炎シンポジウム(ISAD)で発表者を務めたテオドラ・フェスティー二です。「第16週時点での詳しい結果と、今回第32週時点で得られたこれらの主な結果は、特に治療困難な部位にアトピー性皮膚炎がある患者さんの役に立つことを目指すレオ ファーマの取り組みを強調するものです。」
データでは、主要評価項目において第2週目と早期から効果が認められたことが示されました。第16週時点での治験責任医師によるアトピー性皮膚炎による手湿疹の全般的評価(IGA-AHE)において0又は1のスコア、すなわち手の皮膚病変の消失又はほぼ消失、という評価を達成した患者さんの割合には、統計学的に有意な差がありました(トラロキヌマブでは患者さんの40.0%[N=156]、プラセボでは10.6%[N=79])3。
第16週時点で、トラロキヌマブではプラセボと比較して、かゆみ及び疼痛の統計学的に有意な減少も達成されました。トラロキヌマブによる治療を受けた患者さんでは47.3%が手湿疹症状日記(HESD)でかゆみの4ポイント以上の低下を達成したのに対しプラセボでは20.7%、トラロキヌマブによる治療を受けた患者さんの45.3%がHESDで疼痛の4ポイント以上の低下を達成したのに対しプラセボでは13.3%で、これらの主な症状の統計学的に優位な改善が示されました3。
さらに、トラロキヌマブによる治療を受けた患者さんでは41.7%が手湿疹重症度指数(HECSI)で90%以上の改善を達成したのに対し、プラセボでは10.9%で、30.8パーセンテージポイントの差により、第16週時点で統計学的に優位な改善が示されました3。
トラロキヌマブの忍容性は概ね良好であり、新たな安全性の徴候は特定されず、治療の既知の安全性プロファイル全般が維持されました。確認された有害事象の大部分は重篤なものではなく、重症度は軽度又は中等度で、有害事象数はトラロキヌマブ(60.3%)とプラセボ(60.8%)で差がありませんでした。同様に、特に注目すべき有害事象に着目すると、結膜炎を発現した患者数はトラロキヌマブ群(3.8%)とプラセボ群(3.8%)で同程度でした3。
第16週時点の良好なデータは、2025年10月24日から26日にかけてオーストラリアのメルボルンで開催された第15回Georg Rajka国際アトピー性皮膚炎シンポジウム(ISAD)で発表されました3。
試験(NCT05958407)の詳細は clinicaltrials.gov をご覧ください。
ADHAND試験について
ADHAND試験(NCT05958407)は、全身療法の候補となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹を有する成人患者さんを対象に、単剤療法として隔週でトラロキヌマブ300 mgを投与した場合の有効性と安全性を評価する、アダプティブデザインを用いた第3b相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、介入、臨床試験です。患者さんは、トラロキヌマブとプラセボのいずれかに無作為に割り付けられ1、16週の二重盲検投与期間後、非盲検下で16週にわたりトラロキヌマブ投与を受けました。
トラロキヌマブ投与が最長32週間となるよう非盲検投与期間を設けた目的は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎による手湿疹を有する患者さんを対象として、疾患の程度及び重症度、かゆみ、疼痛、睡眠、健康関連の生活の質と安全性及び忍容性に関するトラロキヌマブの継続投与の影響を評価することです1。
第32週時点における副次評価項目には、治験責任医師によるアトピー性皮膚炎による手湿疹の全般的評価(IGA-AHE)において0又は1のスコアを達成した患者さんの割合、第32週時点における手湿疹症状日記(HESD)で測定評価したかゆみ及び疼痛スコアのベースラインから4ポイント以上の低下、並びに第32週時点における手湿疹重症度指数(HECSI)のベースラインから75%以上の改善が含まれています1。
本治験の安全性評価項目は、試験治療下で発現した有害事象数です1。
本治験は第32週で終了し、その後第32週から第36週までが安全性追跡調査期間とされています1。
アトピー性皮膚炎による手湿疹について
アトピー性皮膚炎による手湿疹は日常生活に支障をきたす皮膚疾患であり、患者さんの生活の質や業務の遂行に重大な影響を及ぼす可能性があります2。Silverberg et al (2023)の研究によると、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんの50%以上は手にアトピー性皮膚炎の症状があり、このうちほぼ60%に体表面積(BSA)10%以上という高度の病変面積が確認されています6。手はこの疾患でよくみられる負担の多い領域と考えられています6。病変は多くの場合、環境誘因に曝露される頻度の高い領域である手首や手背部にみられます7。
アドトラーザ®(トラロキヌマブ)について
アドトラーザ®(トラロキヌマブ)は、アトピー性皮膚炎の徴候や症状の根底にある免疫と炎症のプロセスに関与するインターロイキン(IL)-13サイトカインに結合し、阻害することを目的として開発された親和性の高いヒト型モノクローナル抗体です4,5。
アドトラーザ®は、成人及び12歳以上の青年期の患者さんにおける全身療法の候補となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎の治療に対し、欧州連合、米国、カナダ、アラブ首長国連邦、韓国において承認されています。また、スイス、サウジアラビア、日本では、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人患者さんへの使用を適応として承認されています。
レオ ファーマについて
レオ ファーマは、メディカルダーマトロジーにおけるリーディングカンパニーです。ヘルスケアにおける画期的な医薬品開発の1世紀以上にわたり培った経験に基づき、皮膚の健康のための革新的なソリューションを提供しています。私たちは、人々の生活に根本的な変化をもたらすよう取り組んでおり、治療薬のポートフォリオは、年間70カ国以上で約1億人の患者さんに届けられています。デンマークに本社を置くレオ ファーマは、世界中に4,000人の従業員を擁しています。レオ ファーマは、大株主であるレオ財団と、2021年からNordic Capitalによって共同所有されています。詳細は https://www.leo-pharma.com/ をご覧ください。
LEO Pharma
LEO Pharma helps people achieve healthy skin. The company is a leader in medical dermatology with a robust R&D pipeline, a wide range of therapies and a pioneering spirit.
Founded in 1908 and owned by the LEO Foundation, LEO Pharma has devoted decades of research and development to advance the science of dermatology, setting new standards of care for people with skin conditions. LEO Pharma is headquartered in Denmark with a global team of 6,000 people, serving 92 million patients in 130 countries. In 2019, the company generated net sales of DKK 10,805 million.