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LEO Pharma、尋常性乾癬の長期継続治療で週2回局所使用するEnstilar®(カルシポト リエン* /ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤による試験結果を発表

本資料は、LEO Pharma A/S(デンマーク)が2020年6月12日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳です。 資料の内容および解釈については英語版が優先されます。英語版はwww.leo-pharma.comでご覧いただけます。

-- PSO-LONG臨床試験結果は、尋常性乾癬に対してEnstilar®(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤を週2回局所使用した場合の長期継続治療データを初めて提供するもの --

-- 尋常性乾癬は、全世界に1億2,500万人いる乾癬患者のほぼ80%を占める慢性多因子性疾患1,2 --

-- LEO Pharmaでは、企業として乾癬やその他の慢性皮膚疾患を有する患者を対象とした革新的製剤を求めて30年以上の伝統を踏まえて取り組んでいる --

*日本での有効成分名 カルシポトリオール水和物


デンマーク、バレラップ発、2020年6月12日 - 皮膚科医療の世界的リーダー企業であるLEO Pharma A/S(以下「LEO Pharma」)は本日、第III相PSO-LONG臨床試験から得られた結果を発表しました。
PSO-LONG試験では、尋常性乾癬の成人患者を対象とした長期(52週間)継続治療において、Enstilar®(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤またはフォーム基剤を週2回使用した場合の、有効性および安全性を比較しました3, 4。結果は、米国皮膚科学会(American Academy ofDermatology, AAD)の提供するVirtual Meeting Experience(VMX)2020からePosters onlineで発表されました。

Enstilar®(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤を長期継続治療薬として週2回使用する用法は開発中であり、この用法で承認されている国はありません。本剤の長期継続療法での安全性および有効性については、現在、規制当局による評価が行われているところです。

乾癬は慢性多因子性疾患であり、主に皮膚に悪影響を与え、多くの場合で長期治療が必要です5。尋常性乾癬は免疫系の過剰反応を特徴とする最もよくみられるタイプの乾癬であり、皮膚の炎症を引き起こし、皮膚細胞の増殖を加速させることから、鱗屑を形成します1,5。軽度から中等度の尋常性乾癬の多くの場合、局所治療薬が処方されます1

PSO-LONG試験では、Enstilar(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤により、フォーム基剤との比較において初回再発までの期間延長を認め(56日vs. 30日)、主要評価項目を達成しました3,4

「主要評価項目における今回の結果は、尋常性乾癬の成人患者の治療に関する新たな臨床データを提示するものです」と、ニューヨーク市マウントサイナイ・アイカーン医科大学の Waldman Chair of Dermatology であるとともに、PSO-LONG 試験の治験責任医師である Mark Lebwohl*, M.D.は述べています。「同種外用剤としては初となるこの 1 年間の試験とそのデータにおいて、フォーム基剤と比較し、カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルの固定用量の配合フォーム剤では、再発が減少するとともに無再発日数が増加しました」

フォーム剤(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)の週2回長期使用によるカル シウムホメオスタシスと視床下部-下垂体-副腎(HPA)系への影響及びその他の安全性評価を行いまし た。カルシウム代謝や HPA 系に対する臨床的に意義のある影響は認められませんでした。有害事象 (AE)の発現率は、投与群間で同等でした 4

「乾癬領域における当社の理念は、重症度を問わず全ての乾癬患者さんに有効な薬剤を提供することです」と、LEO Pharma のグローバル研究開発部門長である Kim Kjoeller, M.D.は述べています。「後期の開発段階にある革新的な新薬候補が含まれる多様なパイプラインにより、乾癬やその他の慢性皮膚疾患を有する世界中の患者さんに対するさまざまな治療オプションの提供を目指しています」

米国皮膚科学会バーチャルミーティングエクスペリエンス(AAD VMX 2020)では、第 III 相 PSO-LONG試験から得た有効性と安全性及び非盲検データの 3 つの ePoster を発表しました:

  • カルシポトリエン0.005%/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル0.064%の固定用量の配合フォ ーム剤による尋常性乾癬に対する長期のプロアクティブ療法:第III相無作為化比較対照試験の結果
  • 尋常性乾癬患者におけるカルシポトリエン0.005%/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル 0.064%の固定用量の配合フォーム剤による長期のプロアクティブ療法の安全性:第III相、多施 設共同、無作為化、52週間、基剤対照試験の結果
  • カルシポトリエン0.005%/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル0.064%の固定用量の配合フォ ーム剤を用いた長期のプロアクティブ療法における第III相試験の非盲検治療期間の結果

PSO-LONG 試験について:試験デザインおよび結果 3,4
PSO-LONG 試験(NCT02899962)は、尋常性乾癬の成人患者を対象とした長期維持治療として、カル シポトリエン 0.005%/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル 0.064%の配合フォーム剤またはフォーム 基剤を週 2 回使用した場合の安全性および有効性を比較する、12 カ月間の、国際多施設共同、無作為 化、基剤対照、二重盲検、2 群並行群間比較試験です。


本試験の詳細は以下の通りです:

  • 18 歳以上の患者 650 例を 4 週間の非盲検相に組み入れ、患者それぞれがカルシポトリエン/ベ タメタゾンジプロピオン酸エステルのフォーム剤を 1 日 1 回使用した。
  • 521 例(80%)が治療成功を達成[医師総合評価(Physician's Global Assessment, PGA)で 「消失」/ベースラインから最低で 2 グレードの改善を認め「ほぼ消失」]した。その後、患者 をカルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルのフォーム剤またはフォーム基剤のいずれかを 52 週間、週 2 回使用する群に 1:1 に無作為割付した。
  • いずれの群でも、再発がみられた患者では、カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エ ステルのフォーム剤を4 週間、1 日 1 回使用した。
  • 82%の患者でベースラインの PGA スコアが「中等度」であった。
  • 無作為割付した患者のうち251例(46%)が長期試験を終了した。

適格要件:
本試験に参加するためには、患者は以下を満たしている必要がある:

  • 18 歳以上である。
  • 体表面積の 2~30%を占める、体幹乾癬および/または四肢乾癬がみられる。
  • PGA が軽度以上で、初診時の「修正された乾癬領域および重症度指数(mPASI)」が 2 以上である。

結果:

  • 初回再発までの期間の中央値は、カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルのフ ォーム剤では 56 日であったのに対し、フォーム基剤では 30 日であった。
  • フォーム基剤と比較し、カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルのフォーム剤 では初回再発リスクが 43%低かった(HR, 0.57; 95% CI, 0.47-0.69; p< 0.001)。
  • フォーム基剤群と比較し、カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルのフォーム 剤群では 1年間の再発率が 46%低かった(95% CI, 37-54%; p< 0.001)。
  • 100 患者年当たりの重篤な AE の発現率は同等だった[カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロ ピオン酸エステルのフォーム剤(n = 272)では 8.3;フォーム基剤(n=273)では 7.9]。これ は治療に関連した AE の発現率の場合も同様でした[カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピ オン酸エステルのフォーム剤(n = 272)では 2.8;フォーム基剤(n=273)では 4.5]。

PSO-LONG試験に関する補足情報については、clinicaltrials.gov.をご覧下さい。

*Dr. Lebwohl は LEO Pharma の契約コンサルタントです。


乾癬について
乾癬は、全世界では 1億 2,500 万人が罹患している慢性の全身性炎症疾患であり、主に皮膚に悪影響を 与えます 1,2。約 80%の患者さんに尋常性乾癬が認められますが、これは乾癬で最もよくみられる臨床型 です 1。乾癬の症状は痒みまたは痛みを伴い、鱗状や炎症性の斑がみられます。斑は身体中に部位を問わ ず発生しますが、頭皮、膝、肘、体幹で多くみられます。乾癬がみられる部分が身体の 3%未満である場 合には軽度とみなされ、3%以上の場合には中等度から重度とみなされます 6。軽度から中等度の尋常性 乾癬の多くの場合、局所治療薬が処方されます 1


Enstilar(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤について
Enstilar フォーム剤は、ビタミン D 類似体であるカルシポトリエンと、コルチコステロイドであるベタメ タゾンジプロピオン酸エステルとの配合剤です。


Enstilar(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤の、米国食品医薬品 局(FDA)による承認を受けた適応
Enstilar(カルシポトリエン/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)フォーム剤は、12 歳以上の患者に おける尋常性乾癬に対する局所治療を適応とする。Enstilarフォーム剤は 1 日 1 回、最長で 4 週間、患部に塗布すること。症状が治まれば使用を中止すること。患者には、4日間につき 60g を超える量を使用 しないよう指示する。


重要な安全性情報
局所使用に限る。Enstilar フォーム剤は経口用、点眼用、膣内用ではない。顔、鼠径部、腋窩や、治療部 位に皮膚萎縮が認められる場合には塗布しないこと。密封包帯と一緒に使用しないようにする。塗布後には手を洗うこと。


警告および使用上の注意

  • 引火性:Enstilarフォーム剤に使われている噴射剤は可燃性である。塗布中や塗布直後に は、火気等を避け、タバコは吸わないよう患者に指示すること。
  • 高カルシウム血症および高カルシウム尿症:高カルシウム血症および高カルシウム尿症の 発生が報告されている。いずれかが認められた場合、カルシウム代謝パラメータが正常に 戻るまで使用を中止すること。
  • 内分泌系への影響:治療中止中および治療中止後には、糖質コルチコステロイド不全の可能 性があるとともに視床下部-下垂体-副腎(HPA)系の可逆的抑制が起こることがある。リス ク因子には、強力な局所用コルチコステロイドの使用、広い体表面積全体や密封状態下にあ る部位への使用、長期使用、皮膚バリアの変化、肝不全、および若年などがある。HPA系の 抑制が起きた場合には、加減してしようすること。 局所用コルチコステロイドが持つ全身作用により、クッシング症候群、高血糖、および糖尿が発生することがある。 小児患者では、体容積に対して皮膚表面の面積の比率が大きいため、全身毒性の影響を受け やすくなる。
  • アレルギー性接触皮膚炎:局所用カルシポトリエンや局所用コルチコステロイドによるア レルギー性接触皮膚炎の発生が認められている。
  • 眼科的副作用:後嚢下白内障や緑内障のリスクが増加する可能性がある。Enstilarフォーム 剤が眼に付かないようにすること。Enstilarフォーム剤が眼を刺激することがある。視覚症 状があれば報告するよう患者を指導し、診断してもらえるよう眼科医への紹介を検討する こと。

副作用

  • 成人被験者の1%未満で報告された副作用には以下が含まれる:適用部位刺激感、適用部位 そう痒感、毛包炎、皮膚色素減少、高カルシウム血症、蕁麻疹、および乾癬増悪。
  • 小児被験者(12~17歳)の1%未満で報告された副作用には以下が含まれる:ざ瘡、紅斑、 適用部位疼痛、および皮膚反応。


特定の集団における使用

妊婦:妊婦の場合、Enstilarフォーム剤により低出生体重児となる潜在的リスクが増加する可能性があることを伝え、Enstilarフォーム剤は皮膚の最小範囲にできる限り短い時間内で使用するよう指導すること。

授乳婦:局所的に投与したカルシポトリエンやベタメタゾンジプロピオン酸エステルのヒト母乳中への残留については、利用可能なデータはない。授乳中の場合、Enstilarフォーム剤は皮膚の最小範囲にできる限り短い時間内で使用すること。授乳婦には、乳児への直接曝露を避けるため、Enstilarフォーム剤を乳頭や乳輪に直接塗布しないよう指導すること。

小児への投与:12歳未満の小児患者におけるEnstilarフォーム剤の安全性および有効性は確立されていない。小児患者では、体容積に対して皮膚表面の面積の比率が大きいため、全身毒性の影響を受けやすく、HPA系の抑制や副腎不全が起こりやすい。


処方薬の副作用についてはFDAに報告すること。www.fda.gov/medwatchにアクセスするか、1-800-FDA-1088まで電話する。

詳細については、米国 FDA が公開している Enstilar フォーム剤の添付文書全文をご覧下さい。


LEO Pharma について
LEO Pharma は、安定した臨床開発パイプラインや幅広い治療薬とともに、開拓者精神を持つ、皮膚科医療のリーダー企業です。創立は 1908 年であり、LEO 財団が会社を保有しています。LEO Pharma は皮膚科学の進歩のため何十年にもわたり臨床開発に専念し、皮膚疾患を有する方を対象とした新たな標準治療を設定してきました。本社はデンマークにあり、グローバルで 6,000 人が 130 カ国 9,200 万人いる患者さんのために働いています。2019 年の純売上高は 108 億 500 万 DKK(デンマーククローネ)でした。


連絡先
Rhonda Sciarra
Associate Director, Global External Communications
+1 862 337 0675

Henrik Kyndlev
Director, Global External Communications
+45 3140 6180


1 Menter A, Korman NJ, Elmets CA, Feldman SR, Gelfand JM, Gordon KB, et al. Guidelines of care for the management of psoriasis and psoriatic arthritis. Section 3. Guidelines of care for the management and treatment of psoriasis with topical therapies. J Am Acad Dermatol 2009; 60: 643-659
2 Psoriasis Statistics. National Psoriasis Foundation website. https://www.psoriasis.org/content/statistics. Accessed April 9, 2020.
3 Lebwohl, Mark et al. Long-term proactive management of psoriasis vulgaris with fixed-dose combination of calcipotriene 0.005% and betamethasonedipropionate 0.064% foam; results of a Phase III randomized controlled trial. Featured at American Academy of Dermatology VMX. Poster #18223. June 12, 2020.
4 Lebwohl, Mark et al. Safety of long-term proactive management with fixed-dose combination of calcipotriene 0.005% and betamethasone dipropionate 0.064% foam in patients with psoriasis vulgaris; results of a Phase III, multicenter, randomized, 52-week, vehicle-controlled trial. Featured at American Academy of Dermatology VMX. Poster #12797. June 12, 2020.
5 Feldman, SR. et al. The Challenge of Managing Psoriasis: Unmet Medical Needs and Stakeholder Perspectives. Am Health Drug Benefits. 2016;9(9);504-513.
6 Plaque Psoriasis Fact Sheet. National Psoriasis Foundation website. https://www.psoriasis.org/sites/default/files/plaque_fact_sheet.pdf. Updated October 2017. Accessed April 9, 2020.

LEO Pharma

レオ ファーマは研究開発志向型の製薬会社です。

1908 年創業のレオ ファーマは、研究主導の製薬会社です。皮膚疾患の治療薬を開発・製造し、世界130カ国以上で販売しています。

私たちは、「世界中の人々の生活改善に貢献する皮膚科領域のケアパートナーになる」ことを目指した事業活動を行っています。このビジョンの実現のため、私たちは新たな地域や市場への進出に努め、いまだ満たされていない医学的ニーズに応える競争力のある医薬品と治療法を、さらに多くの患者さんや社会へとお届けします。

本社はデンマークにあり、レオ財団が所有しているため、安定的な経営を可能にしています。

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