コンテンツにスキップ

症状

「自覚症状は強いかゆみ」1,2)
自覚症状として最も大切なのは、強いかゆみとされています。 また、かゆみが出て皮膚を掻(か)くと、さらにひどいかゆみが襲ってきます。


年齢によって特徴的な発疹(皮膚病変)がみられる 3)
人によりさまざまな症状が出てきますが、一般的に乳児期(2歳未満)、幼児期・学童期(2~12歳)、思春期・成人期(13歳以上)、つまり年齢別に特徴がある症状が出ます。
ちなみに、通常は身体の右側・左側の両方に発疹が出てきます。


【乳児期(2歳未満)】1,3)
最初は頬(ほほ)・額・頭といった顔の皮膚が乾燥し、赤くなり、ブツブツが出てきます。かゆいと乳児がひっかいてしまうため、かさぶたができます。
症状は徐々に広がっていき、耳の周りや口、身体にも出てきます。


【幼児・学童期(2~12歳)】3,4)
通常、顔面の症状は落ち着いてきます。一方で肘や膝の裏側、また首、手首や足首といった部位を中心に赤いブツブツが出てきます。ひどくなると顔などにも発疹が出ます。
また、“鳥肌のような”発疹も特徴のひとつです。乾燥して光沢がなく、毛穴と一致した固いブツブツが広がることもあります。こすったり、引っかいたりして症状がひどくなると、このような皮膚が盛り上がって固くなってしまいます(苔癬化)。


【青年・成人期(13歳以上)】3,4)
症状は顔や首、胸、背中といった上半身に出やすくなります。眉毛の外側が1/3ほど薄くなったり(ヘルトーゲ徴候)、目の下のしわが目立ったり(デニー・モーガン徴候)することもあります。乾燥肌や苔癬化がひどくなり、色素沈着なども目立つようになります。


症状が改善・再発を繰り返すことも 4,5)
アトピー性皮膚炎は、症状が改善したり再発したりを繰り返します。治療が長期にわたることもあります。


【参考文献】
1) 瀧川雅浩ほか編:皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版, 2018, pp.77-82, 南江堂,東京
2) 西岡清監修, 片山一朗編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ アトピー性皮膚炎 改訂版, 2010, pp.8-9, 医薬ジャーナル社, 大阪
3) 日本皮膚科学会ほか:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018 日皮会誌 2018,128(12), 2431-2502
4) 清水宏:新しい皮膚科学 第3版, 2018, pp.119-125, 中山書店, 東京
5) 病気がみえる vol.14 皮膚科, 2020, pp.80-87, メディックメディア, 東京

Serverside rendering