【皮膚疾患の基礎知識】
新薬の研究開発の難しさ

皮膚科治療薬に限らず、医師が処方する医療用医薬品の開発には、安全性や効果を調べる臨床試験(治験)と呼ばれる試験など数多くのステップを踏み、ようやく使用できるようになります 。
それを端的に表す数値があります 1)。

  • 研究開発から発売までの期間:約15年
  • 新薬誕生の確率:約20,000分の1
  • 一つの新薬の研究開発費:約3,000億円

新薬の誕生まではとても長い道のりが必要ですが、患者さんに画期的な治療薬をお届けることが製薬会社の使命です。

創薬の“新しい波”

既存の治療法に加えて、最近は従来の薬とは異なるメカニズムの薬剤が続々と登場し、それにより改善する病気や症状も増えてきました。
それが、遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーを用いた「バイオ医薬品」です。 現在、さまざまな医薬品が使えるようになっています。

  • 抗体医薬:免疫で大きな役割を果たす抗体を用いる 1)
  • 核酸医薬:核酸(DNA、RNA)の構成成分で治療する 1,2)
  • 遺伝子治療:遺伝子を体内に入れて蛋白質を作らせ病気を改善したり 2) 、人体から取り出した細胞に病気を治療する機能を付けてから戻したりする治療(後者は細胞治療ともいう)1,2)

さらに、患者さんそれぞれの体質や症状に合わせた治療ができるようにする「個別化治療」への取り組みも進められています 1)。

【参考文献】
1) 佐藤健太郎:創薬科学入門, 改訂2版, 2018, pp.37-41, 93-101, 193-195,198, オーム社, 東京
2) 国立医薬品食品衛生研究所 国立医薬品食品衛生研究所:薬の最前線 遺伝子治療薬と核酸医薬. 2010年7月